ローカルLLMに最強のスマホはどれだ? ― 2026年版ガチ比較。結論はゲーミングスマホだった

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結論:スマホでローカルLLMを動かすなら、REDMAGIC 11 Pro(24GB / 192,800円)が最強。最新SoC+24GB RAM+液冷で、Galaxy S26 Ultra(16GB / 299,200円)の半額以下。Gemma 4特化ならPixel 10 Pro(16GB / 174,900円)。目的別に最適な1台を、価格・スペック・実測データから徹底比較した。

Gemma 4がリリースされ、スマホ上でLLMを動かす時代が本格的に来た。前回の記事でAIオセロ対戦RPGストーリー自動生成をスマホ上で実現した。

じゃあ「どのスマホを買えばいいのか」。RAM、SoC、NPU、価格——全部調べてガチ比較した。

まず知っておくこと:Gemma 4のモデル別メモリ要件

Gemma 4は4つのサイズがある。スマホで動かせるのはどれか。

モデルパラメータQ4サイズ必要RAMスマホ向け
E2B2B相当~1.5GB8GB〜最適
E4B4B相当~3GB12GB〜実用的
9B9B~5GB16GB〜ギリギリ
26B-A4B (MoE)26B(推論時4B)~15GB24GB〜24GB端末のみ
31B (Dense)31B~20GB34GB〜不可能

RAMが全て。8GBならE2Bのみ、12GBでE4Bが快適、16GBで9Bが動く、24GBなら26B MoEすら可能性がある。スマホ選びの最重要ポイントはRAMだ。

2026年フラッグシップ 全機種スペック&価格一覧

機種SoCRAMNPU価格(税込)
Galaxy S26 UltraSD 8 Elite Gen 512GB100 TOPS218,900円(256GB)
Galaxy S26 UltraSD 8 Elite Gen 516GB100 TOPS299,200円(1TB)
iPhone 17 ProA19 Pro12GB179,800円(256GB)
Pixel 10 ProTensor G516GBTPU 60%UP174,900円(256GB)
REDMAGIC 11 ProSD 8 Elite Gen 516GB100 TOPS157,800円(512GB)
REDMAGIC 11 ProSD 8 Elite Gen 524GB100 TOPS192,800円(1TB)
Xiaomi 15 UltraSD 8 Elite (Gen 4)16GB75 TOPS179,800円(512GB)
ROG Phone 9 ProSD 8 Elite (Gen 4)24GB75 TOPS239,800円(1TB・在庫限り)

SoC別のAI推論性能

同じ「フラッグシップ」でもSoC世代でLLM性能は大きく変わる。

SoCNPU性能LLM向け特徴搭載機
SD 8 Elite Gen 5100 TOPS3B LLMが37%高速化、32Kコンテキスト、INT2対応Galaxy S26 Ultra, REDMAGIC 11 Pro
Tensor G5TPU 60%UPGemini Nano 2.6倍高速、Gemma最適化、TSMC 3nmPixel 10 Pro
A19 Proシングルコア最強、Flash-MoEで400Bモデル動作実績iPhone 17 Pro
Dimensity 9500NPU 990BitNet 1.58bit対応、Gemma E2B decode 28 tok/svivo X300 Pro等
SD 8 Elite (Gen 4)75 TOPS前世代。実用十分だが最新には劣るXiaomi 15 Ultra, ROG Phone 9 Pro

スマホ別 × Gemmaモデル対応マトリクス

どのスマホでどのGemmaモデルが動くか。Gemma 3とGemma 4の両方を含む。

スマホRAME2BE4B9B (Q4)26B MoE (Q4)
REDMAGIC 11 Pro (24GB)24GB
ROG Phone 9 Pro24GB
REDMAGIC 11 Pro (16GB)16GB
Pixel 10 Pro16GB
Galaxy S26 Ultra (1TB)16GB
Xiaomi 15 Ultra16GB
Galaxy S26 Ultra (256GB)12GB
iPhone 17 Pro12GB

※ ◎=快適 △=動くがギリギリ ✕=メモリ不足で動かない

実測データ:Gemma 3 / Gemma 4の推論速度

実際にどれくらいの速度が出るか。Gemma 3は既にデータが豊富で、Gemma 4は公式値で「Gemma 3の4倍速い」とされている。

Gemma 3(実測データ)

デバイスモデル速度
Galaxy S24 UltraGemma 3 1B (int4)prefill 2,585 tok/s
iPhone 17 ProGemma系 (MLX)40+ tok/s
最新スマホ一般Gemma 3n E2B60-70 tok/s
Pixel 6 Pro (2021)Gemma 34.4-6 tok/s
Pixel 4a (2020)Gemma 30.33 tok/s

Gemma 4(実測+推定)

デバイスモデル速度備考
Dragonwing IQ8 (NPU)Gemma 4decode 31 tok/s実測
Dimensity 9500 (NPU)Gemma 3n E2Bdecode 28 tok/s実測
最新スマホ一般Gemma 4 E2B15-25 tok/s推定
Raspberry Pi 5 (CPU)Gemma 4 E2Bdecode 7.6 tok/s実測

Gemma 4は公式で「Gemma 3の4倍速い」「バッテリー消費60%減」とされている。E2BはE4Bの3倍速い。自然な会話体験には20 tok/s以上が必要で、最新フラッグシップなら十分に到達している。

Gemma 3 → Gemma 4 で何が変わったか

Gemma 3Gemma 4
速度基準4倍速い
バッテリー基準60%減
マルチモーダル画像+テキスト画像+音声+テキスト
関数呼び出し限定的公式対応
コンテキスト8K〜32K128K(E2B/E4B)
ライセンスGemma LicenseApache 2.0

ライセンスがApache 2.0に変わったのも大きい。商用利用が完全自由になった。ゲームにGemma 4を組み込んで販売しても問題ない。

液冷の意味:LLM推論は発熱との戦い

見落としがちだが、LLM推論は発熱する。数分間連続でモデルを走らせると、SoCが温度制限に達して性能が落ちる(サーマルスロットリング)。

REDMAGIC 11 Proは世界初の量産液冷スマホ。LLM推論を長時間回しても性能が落ちにくい。ゲーム向けの冷却機構が、意図せずLLM用途に最適化されている。

Galaxy S26 UltraやPixel 10 Proは一般的な放熱設計で、長時間のLLM推論では性能低下が起きる可能性がある。1回の推論なら問題ないが、オセロ対戦やRPGストーリー生成のように連続的にAIを使うアプリでは、冷却性能が効いてくる。

結論:目的別おすすめスマホ

部門機種RAM価格理由
LLM最強REDMAGIC 11 Pro24GB192,800円Gen 5 + 24GB + 液冷。26B MoEに挑戦できる唯一の現行機(Gen 5)
コスパ最強REDMAGIC 11 Pro16GB157,800円Gen 5 + 16GB + 液冷で最安。Galaxy S26 Ultra 16GB(299,200円)の半額
Gemma特化Pixel 10 Pro16GB174,900円Google同士の最適化。AICore + Gemini Nano 4。Gemmaを使うなら最も相性が良い
総合バランスGalaxy S26 Ultra12GB218,900円カメラ・S Pen・エコシステム全部入り。LLM「も」使える万能機

注意:おすすめしにくい機種

  • iPhone 17 Pro — RAM 12GBが足を引っ張る。E4Bまでは快適だが9Bはギリギリ。iOSでのローカルLLM環境もAndroidに比べて発展途上
  • ROG Phone 9 Pro — 24GB RAMは魅力だがGen 4(旧世代)、在庫限り、ASUS撤退済み。REDMAGIC 11 Proの方がGen 5で安い
  • Galaxy S26 Ultra 1TB(16GB) — 299,200円は高すぎる。16GB RAMが欲しいだけならREDMAGIC 11 Proが半額

筆者の本音:ゲーミングスマホがAI最強端末になる皮肉

筆者(uc)がこの調査で一番驚いたのは、REDMAGIC 11 Proの圧倒的なコスパだった。

ゲーミングスマホは「ゲームするための端末」として設計されている。大容量RAM、最強SoC、液冷——全部ゲームのための仕様だ。ところが2026年、これらの仕様がそのままローカルLLMに最適化されている

24GB RAMは26B MoEモデルを動かすため。液冷は長時間のAI推論で性能を落とさないため。Gen 5 NPUは100 TOPSのAI推論のため。ゲーマーが求めたスペックが、そのままAI開発者のニーズと一致した。

Galaxy S26 Ultraの16GBモデル(299,200円)に30万近く払うなら、REDMAGIC 11 Proの24GBモデル(192,800円)を買ってお釣りがくる。カメラは弱いが、ローカルLLMにカメラは関係ない。

スマホでAIを動かす時代。最強のAI端末は、ゲーミングスマホだった。

まとめ

  • RAMが最重要:8GB→E2Bのみ、12GB→E4B、16GB→9B、24GB→26B MoE
  • Gemma 4はGemma 3の4倍速い、バッテリー消費60%減
  • SoCはSD 8 Elite Gen 5(100 TOPS)が最強。Tensor G5はGemma特化
  • LLM最強:REDMAGIC 11 Pro(24GB / 192,800円) — Gen 5 + 液冷
  • コスパ最強:REDMAGIC 11 Pro(16GB / 157,800円) — Galaxy 16GBの半額
  • Gemma特化:Pixel 10 Pro(16GB / 174,900円) — Google最適化
  • ゲーミングスマホの「大容量RAM+最強SoC+液冷」が、そのままLLM最適端末になった

参考ソース

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