THREE.jsゲームはAdMobと戦えるか?ブラウザゲームPFの収益リアル2026

ゲーム制作技術

THREE.jsゲームで収益化するには

THREE.jsで作ったゲームは、App StoreにもGoogle Playにも出せない。CapacitorやCordovaでネイティブアプリとしてラップする手段はあるが、中身はWebViewであり、ネイティブアプリと比較してパフォーマンスで劣り、ストア審査でも不利になる。THREE.jsゲームはブラウザで動かすのが正解だ。

となると、収益化もWeb上で行うしかない。ここで登場するのがブラウザゲームプラットフォームだ。Poki、Yandex Games、Gameflareといったプラットフォームにゲームを掲載すると、プラットフォーム側が広告の配信・最適化・収益管理を担ってくれる。開発者はゲームをアップロードしてSDKを組み込むだけ。広告が表示されるたびに収益が発生し、プラットフォームと開発者で分配する仕組みだ。自分で広告ネットワークと契約する必要も、集客に奔走する必要もない。

要するに:THREE.jsゲームの収益化=ブラウザゲームプラットフォームに掲載して広告収益を得ること。これが唯一にして最善のルートだ。では、どのプラットフォームに出すべきか?

どこに出せるか──主要プラットフォーム解説

ブラウザゲームプラットフォームは複数あり、それぞれ特色が異なる。取り分・集客力・審査の厳しさを軸に、主要5プラットフォームを解説する。

Poki

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ブラウザゲームプラットフォームの最大手。月間1億ユーザー、月間10億プレイという圧倒的なトラフィックを持つ。収益の取り分は、開発者が自力で集客した外部流入なら100%が開発者のもの。プラットフォーム経由のトラフィックでは50%が開発者に入る。審査は厳しく、クオリティの低いゲームは掲載されない。トップスタジオは年間$100万(約1.5億円)を達成している。集客力は圧倒的だが、審査のハードルは覚悟が必要だ。

Yandex Games

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ロシア・CIS圏を中心としたプラットフォーム。4年間で開発者に合計$7,000万を支払い、数百名の開発者が月$20,000を達成している。審査はPokiと比較すると緩やかで、掲載のハードルは低い。CIS圏のユーザーが中心のため、欧米向けとは異なるマーケットにリーチできるのが強みだ。英語圏のプラットフォームと併用することで、地域の分散効果も期待できる。

Gameflare

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開発者の取り分が85%と業界最高水準。審査も比較的緩やかで、掲載しやすい。集客力はPokiやYandex Gamesに比べると劣るが、高い取り分のおかげで、少ないプレイ数でも効率よく収益を得られる。まずここで掲載してみて感覚を掴むのも良い選択肢だ。

GamePix

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開発者の取り分は45%。一見低く見えるが、GamePixの特徴はパブリッシャーネットワーク経由での配信にある。GamePixに掲載されたゲームは、提携する多数のWebサイトやポータルに自動的に配信される。自分では到達できないトラフィックを獲得できる可能性がある代わりに、取り分で差が出る構造だ。

Playgama Bridge

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取り分80〜90%。Playgama Bridgeの最大の特徴は、1つのSDKで複数プラットフォームに同時配信できること。Poki、Yandex Games、GameDistributionなど、個別にSDKを実装する手間なく横展開できる。プラットフォームごとにSDKを差し替える作業から解放されるため、複数PF戦略を取る開発者にとっては強力な選択肢だ。

プラットフォーム比較表

プラットフォーム 開発者取り分 集客力 審査
Poki外部流入100% / PF経由50%最大(月1億ユーザー)厳しい
Yandex Games非公開(実績ベース)(CIS圏中心)比較的緩やか
Gameflare85%緩やか
GamePix45%中(ネットワーク配信)普通
Playgama Bridge80〜90%複数PF合算で大PFごとに異なる

1つに絞る必要はない。Playgama Bridgeで複数PFに同時配信するか、Pokiをメインに据えつつYandex GamesでCIS圏を押さえる──プレイ数の母数を増やす「複数PF戦略」が、ブラウザゲーム収益化の定石だ。

収益性をAdMobと比較する

THREE.jsゲーム開発者が気になるのは、「モバイルゲームでAdMob使ってる人と比べてどうなの?」という点だろう。AdMobはGoogle製の広告SDKで、モバイルゲームの広告収益化では事実上のスタンダードだ。ここでは両者の数字を正面から並べて比較する。

AdMob vs ブラウザゲームPF 直接比較(Tenjin 2025年レポート)

比較項目 AdMob(モバイル) ブラウザゲームPF
リワード動画eCPM$16.49〜$19.63(iOS/Android)Session RPM $1.00〜$1.70
インタースティシャルeCPM$10.78〜$14.32(PF側が最適化・非公開)
バナーeCPM$0.45〜$0.68(同上)
プラットフォーム手数料30%(App Store / Google Play)0〜55%(PFによる)
広告ブロックの影響ほぼなし40〜50%がブロック
THREE.jsゲームへの適用不可(ネイティブアプリ前提)

eCPM単体ではAdMobが圧勝だ。リワード動画$16〜$20 vs Session RPM $1〜$1.7、10倍以上の差がある。広告ブロック率40〜50%という構造的弱点もブラウザゲーム特有で、ネイティブアプリのAdMobには存在しない。しかし、THREE.jsゲーム開発者にAdMobは使えない──AdMobはネイティブアプリ前提のSDKだ。この数字は「見えるが届かない」。だからこそブラウザゲームPFの中で収益を最大化する手段を知ることが重要になる。

収益改善の実例

事例 施策 結果
Cardgames.io広告ネットワークの変更eCPM 3倍
DenebGames広告ネットワークの切り替え収益7倍
複数開発者の報告リワード動画の追加+15〜40%収益増

同じゲーム・同じトラフィックでも、広告ネットワークを変えるだけでeCPMが3倍、収益が7倍になった実例がある。ブラウザゲームPFの「eCPMが低い」という印象は、最適化されていない状態の数値であることが多い。Poki・Yandex Games等の大手PFを使う利点の一つは、この広告最適化をPF側が代行してくれる点だ。

リワード動画の追加も効果が大きい。「広告を見てライフ回復」「広告を見てコイン獲得」──ユーザーが自発的に視聴するリワード動画は、バナー広告の約30倍のeCPMがある。Poki SDKやYandex Games SDKはリワード動画APIに対応しており、THREE.jsゲームにも組み込める。

現実の収益分布

成功事例バイアスなしで、ブラウザゲームPFの収益分布を直視する。

月間収益 代表事例
大多数(80〜90%)$100以下趣味レベル。副収入とは呼べない
上位1%未満$10,000〜$23,000+Spotle(月$23,000)、Dilly Dally Games(月$16,000〜$20,000)
Pokiトップ層年$100万〜月$127万Chicken Road(月$127万)、トップスタジオ年$100万
複数タイトル戦略フルタイム収入Emolingo Games:8タイトル日次80万プレイ、2人→5人フルタイム

80〜90%の開発者は月$100以下。これが現実だ。しかし上位に入った場合のスケールも大きい。Chicken Roadは月$127万(約1.9億円)という数字を叩き出し、Emolingo Gamesは8タイトルの積み上げ戦略で2人チームから5人フルタイムの会社に成長した。共通するのは「1本のヒットに賭ける」のではなく、複数タイトルを複数PFに掲載してプレイ数を積み上げるアプローチだ。

AdMobとの比較結論:eCPM単体ではAdMobが圧倒的に高い。しかしTHREE.jsゲーム開発者にAdMobは使えない。ブラウザゲームPFはeCPMの低さを、プラットフォーム数の拡大・リワード動画の実装・広告ネットワークの最適化で補う構造だ。AdMobの数字を羨むのではなく、ブラウザゲームPFの枠組みの中で収益を最大化する戦略を取るべきだ。

筆者より

この記事を書いたのは、THREE.jsやWebGLでゲームを作る開発者が、収益化の選択肢を正確に把握できる情報が少なかったからだ。「AdMobで稼げる」という話はモバイルゲーム前提であり、Web技術で作ったゲームには当てはまらない。一方で、ブラウザゲームPFの情報は成功事例ばかりが目立ち、収益分布の現実が見えにくい。

数字だけ見ればAdMobの圧勝だが、THREE.jsゲームを活かす道はブラウザゲームPFにしかない。WebGPUの登場でブラウザの3D描画性能は向上し続けており、ブラウザゲーム市場そのものの成長余地はまだ大きい。今のブラウザゲームPFは、eCPMの低さを「Webの到達範囲の広さ」で補う構造になっている。URLを共有するだけで世界中の誰でもプレイできる。インストール不要。ストア審査の理不尽なリジェクトもない。その特性を最大限に活かす戦略を取れるかどうかが、収益化の分かれ目だ。

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